本日は新宿の矯正歯科より抜歯の依頼がありました。
便宜抜歯とは…
歯科矯正において、歯と顎の骨のバランスを取るために左右の歯を1〜2本抜歯し、そのスペースを装置によって埋めていき綺麗な歯並びにする為の前準備の処置です。
一般的に、小臼歯と呼ばれる4番目か5番目の歯が選択されますが、今回は7番目の歯でした(写真)。
この歯が選ばれるのは多くありませんが、金属が入っている歯を抜歯し、残った歯が何も処置をしていない健全歯となった方が理想との考えからと思われます。
本日抜歯された方は、僕が常日頃「親知らず(8番目の歯)だからといって必ずしも抜歯する必要はないんですよ!」という理由とも言える典型的なケースです。
この方は金属の入った7番目の歯を抜歯し、虫歯もなく何も処置していない健全歯の8番目の歯を7番目の位置に矯正装置にて移動させます。
親知らずを残しておいたがために可能な処置です。既に親知らずを抜歯しておられた場合、その選択肢はありません。
話を元に戻しまして…
便宜抜歯ですが、基本的には自由診療で保険対象外です。
矯正…いわゆる審美目的であり病気ではないので保険は効きません。
ドクター側が、患者様の負担を少なくしてあげようとの善意で病名を付け保険診療にて請求し、それが公となった場合にドクター側にペナルティが課せられます。
抜いたはずの所に何で歯があるの?
こういう解釈です。
歯科矯正の治療途中の虫歯の処置は保険診療で対応出来ますが、便宜抜歯においては自由診療となります。
他の例で言えば、
歯科インプラントも埋入は自由診療ですが、摘出は保険診療が可能です。
但し、メンテナンスは自由診療です。
この辺りが、歯科においての混合診療の複雑さです。