それは…
上顎の場合、嘔吐反射のある方。
下顎の場合、歯茎がまっ平らな方。
これらの方は、「入れ歯のみ」での対応がかなり厳しいです。
嘔吐反射の方は、型どりをする時のみでなく、上あごに物が触れたりすると、吐き気を生じてしまい、上あごを被う入れ歯はとてもじゃないですが入れていられません。
人によっては、口元に気配を感じると「何か口の中に物をいれられる」との想像が吐き気を誘発し、全身麻酔や笑気麻酔下でないと何も処置が出来ない方もいらっしゃいます。
その様な方には、口腔インプラント治療は救世主に思います。
ただ、奥歯に相当する部分にインプラントを設置すると、吐き気を生じるためブラシがかけられず、結果としてインプラント周囲炎となってしまうため、「インプラントオーバーデンチャー」という主に下顎の症例に用いる、インプラントの上に入れ歯を乗せるタイプが清掃面、感染面でベストに思います。
「インプラントオーバーデンチャー」ですが、下顎に用いる場合、前歯寄りにインプラント体を設置し、入れ歯を入れた時にはその部分で維持するタイプの物で、
仮にその方が介護生活になってしまったとしても、入れ歯は取り外して口腔外で清掃し、口腔内のインプラント部分は目に見える場所にあるので、介護する側、介護される側、双方の清掃面での負担が楽です。
また入れ歯はインプラント部分で維持されるので、入れ歯本体の面積を小さくする事ができます。
インプラントオーバーデンチャーの清掃の様子です