血が溢れて来ました。
少し薬で圧迫止血をし、
実際に患者様に見て頂きましたが、前後に2本根っこのある歯でしたが、手前の根っこには管が2本あり、そのうちの1本では、肉眼でも心臓の鼓動と同時に血液が上下するのが確認できました。
歯が変色していた箇所と一致します。
最終的には神経を取り、根っこの治療後、歯の形をした全体な被せ物をして治療を終えました。
ここまで3ヶ月を要しました。
あくまで憶測ですが、
伝達麻酔と言う親知らずを抜歯する時に用いる形の麻酔をし、量も打ったとの事で、
一番最初に金属を外して歯を削った時に、麻酔で血管が収縮しピンクスポットが消失しているので、神経の入っている管の存在に気付かず削り過ぎたのでしょう。
そして、麻酔が切れ血管が元の太さに戻った時点で、中で出血が起きるも、その血液の逃げ場がなく、流れ出た血液が痛みの元になっていたのでしょう。
または、光を照射して固める白い樹脂の詰め物は、選択した樹脂の色にもよりますが、1回の光の照射で材料が固まるのは2ミリ程度の厚さです。
お話を伺うと、2回位光を当てたかな?との事で、
そうであったとしたら、
光の照射時間が足りなかったのかも知れません。
完全に固まっていない樹脂の刺激で炎症を引き起こしたのかも知れません。
色々な事が考えられます。
仮に、最初からこの深さまでの虫歯であったならば身体の防御反応である「痛み」が出ているはずです。
実際に、当院で治療された方の中で、神経の生きている歯なのに、「麻酔を使わないで削りますよ。」とか「「軽く麻酔します。」とか僕に言われた経験のある方は多いはずです。
ただケース・バイ・ケースですが、治療後にこの様な事が生じるのを避けるためだと解釈して下さい。
今回の方のケースの場合、
仮にそこまでの虫歯であって、極力、神経を残そうとするならば、以前からお話している「第二象牙質」の形成を促すために、虫歯になっている部分を意図的に少し残して薬を詰めて暫く経過観察をすると、
虫歯で軟らかくなっていた象牙質は薬の刺激で硬くなってきますから、それを確認した後に、最終的な治療をする事で神経は取らずにすんでいたと思います。
ただ、治療期間が何ヵ月かを要する事にはなります。
患者様曰く
「いじらなければ良かった…」と。
治療は、患者様との同意の元での共同作業です。
またその方法は、様々な理由で十人十色です。
当院では、その様な一方的な治療は行いませんので、ご安心を。
最近気になる事がひとつ。
日増しにあの歯の色が黒くなってきている様に見えるけど、
治療しないのかな?
余計なお世話か……(笑)