昨日来院された患者様のお友達が、上の奥歯に相当する辺りに何年か前にインプラントを入れてから、ずっと頭痛に悩まされているという…
上の奥歯に相当する辺りにインプラントを殖立する場合、上顎洞と呼ばれる鼻と交通しており内面が鼻粘膜で構成されている空洞の底面の部分が近い。
仮に、この部位にインプラント体を殖立させるのに骨量がない場合、前準備として骨を造る処置を行うわけだが、
この骨を造る処置でその空洞の体積を狭めてしまった場合、それが発端となり脳の方へ伝達され頭痛を起こす事もあるらしい。
医科の方では、「歯医者はいったい何をやっているんだ!?」という声もあがっているという…
このお友達のケースは話だけなので何とも言えませんが、他に考えられるのはやはり「インプラント周囲炎」である。
先にお話した様に、インプラントが口の中に入っている人しか起こり得ない病名である。
インプラント治療を行う場合は当然保険外診療になり高額となるが、
やむを得ずインプラント体を除去しなければならない場合…
不思議な事に「インプラント周囲炎」の病名で、普通の歯を抜歯するのと同等の費用で保険診療が適応される。
後にこんなケースが多発し、今もって世の中が社会保障で迷走している中、またもや歯科医抜歯ing(すみません遊んでしまいました…バッシングです)が生じぬ様、願うばかりです。
また、これを除去しなければならない場合…当院ではリスクが高過ぎるのでお断りします。
年齢・全身疾患などの関係で、それこそインプラント体を殖立する以上に死に直結する場合も考えられます。全身管理の出来る大学病院等をご紹介致します。
仮にインプラント体を除去後、再度のインプラント治療が不可能になった場合…当然入れ歯になります。
ここから安定した咬める入れ歯を作るとなると、
顎の骨がかなりのダメージを受けているのでかなり困難になります。
医療は日進月歩ですので、何年か先には画期的な対処法が確立されている事を願います。
しかし、歯もある意味骨の一部ですが、歯を削るのに抵抗があるのに、体の骨に穴をあけるのに抵抗がない方がこれほどまでに多いだなんて何とも不思議な話です……