現在市販されている歯みがき剤の大半にはフッ素が含まれている事は先に述べました通り、また皆様もご存知の事でしょう。
そんな中、それらの歯みがき剤を使用した際に、実際にご自身の歯にどの位のフッ素が取り込まれているでしょう?
正直、無意味ではありませんが…微々たるものです。フッ素を取り込むには高濃度が必要です。市販のもので言えば、どちらかというと歯みがき剤よりもフッ素洗口液の方が濃度が高く効果があります。それゆえインプラント治療をされておられる方が使用される場合はチタン腐食の観点から注意が必要です。
また子供が使用する場合には中毒症状も気をつけなければなりません。
成人のしっかりと完成された永久歯に対してはフッ素はあまり取り込まれません。
フッ素は、幼若永久歯すなわち子供の口の中のまだ未完成な永久歯には非常に効果的です。
この段階でフッ素を取り込む事で、しっかりとした丈夫な大人の永久歯となるのです。
ですので、大人の永久歯に対しては、+(プラス)・ー(マイナス)を利用し電極を用いたイオン導入法にてフッ素を取り込まなければ思う様に歯に吸収しません。
また子供の頃に過度にフッ素を使用した結果、大人の永久歯として完成された時に、斑状歯(はんじょうし)と呼ばれる歯の表面に白い斑点や茶色いシミが出る場合があります。
ホワイトニングをすると、これらの斑点が著名に浮き上がる事があります。
当院ではホワイトニングをする前に、まずポリリン酸ジェルを用いてブラシで歯の表面を磨いてみます。
斑点が浮き上がる様であれば、ホワイトニングは止めた方がいいです。
歯質の強化という意味で考えると、
子供にはフッ素
大人にはポリリン酸
なんて図式が当たり前の様になる時代がすぐそこに来ている気がします。
ポリリン酸とフッ素は喧嘩しません(歯みがき剤に両方が入っている事でおわかりかと思います)ので併用も可能です。
フッ素であれ、ポリリン酸であれ、共にそれらにコーティングされた状態の歯牙は「唾液中のCa(カルシウム)」と結合し
それぞれ過程は違いますが、アパタイトへと形を変えていきます。
しかしながら…
ここで、一番の違いは!
フッ素は、歯の表面に汚れがついていると効果が薄れますが、
ポリリン酸は、歯の表面に汚れがついていても、それをもコーティングし洗い流しつつ、同時に唾液中のCaと結合し歯の内面に取り込まれ、ポリリン酸カルシウムという水溶性の形からリン酸カルシウムすなわちアパタイトへ結晶化し、歯をコーティングしてくれるのです。
コーティングされる事で、歯石も付着しにくくなり、歯を支える歯周組織の環境も整えられ、結果として口臭予防などにも期待できます。
「ホワイトニング」とのうたい文句ですが、どちらかと言うと付加価値の方が重要で、コーティングする事で歯も白くなる。
その様な考えで、当院では「ポリリン酸ホワイトニング」の導入に至っております。
施術された方は皆、歯が白くなっているのは勿論ですが、施術直後のツルツル感と歯の光沢に驚かれて帰られます。
施術後に再度いらした方は、朝起きた時の口の中のヌルヌル感が全く無かったと満足されておられました。
自信をもってオススメします。ポリリン酸ホワイトニングならぬ、「ポリリン酸コーティング」。
今後、コーティングをメインとして形を変えての特別メニューも考えています。