本日いらっしゃった患者様です。
主訴は左下ブリッジの脱離です。
写真左下の歯が歯の根っこの先付近まで真っ二つに割れてしまっています。
インプラント体は、ひと昔前のタイプで、現在主流のネジ込み式のものと違い骨と結合する部分がクシ状に広がっています。
そこに斜めに棒状のものがありますが、おそらく骨の検査時に使われた器具の破片がそのまま残っているのでしょう…。
ご自分の歯には、根っこの周りに歯根膜繊維と呼ばれる髪の毛1本の太さでもわかる程の精度の高いある種、センサー付きクッションがありますが、インプラント体にはありません。
このケースの様に、ご自分の歯とインプラントとを土台にしたブリッジでは、咬んで機能させた場合に明らかに自分の歯が沈む動きをし、その歪みから接着剤が壊され接着力が低下してきます。
加えて割れた歯の土台がかなり根っこの先の方まで入っていたため、咬む度に釘を打つかの様な力が加わり根っこが割れてしまったのでしょう。
割れた歯を一度抜き接着剤で着けた後、90度回転させて再植するという方法もありますが、感染や強度(保存した後のその歯の寿命)を考えると抜歯する方が良いと思われます。
ただ、このインプラントはそのまま残すべきか…この先の様々なご負担を考えると非常に悩みます。
撤去するのは大手術です。
幸い現時点で、割れてしまった歯,インプラント共に痛みは無いとの事でしたので、他に最善の方法があればと思い大学病院にご紹介し、これからの処置法を選択して頂く事となりました。